虜 TORIKO
何を恐れているのだろう。何を欲しているんだろう。
一体、私は何を失うことを、こんなにも恐れているのか。
人間の衝動はきっと愛なんかではない。人を突き動かしているのは恐れだ。
そして、人を恐れで縛り付けるのは、私が欲している”それ”だ。
私の口は上手にごまかすだろう。自分でさえも、気付けない。
けれど、私はいつも何かの虜。人はみな何かに依存しなければ生きていけないのだから。
しかし、私は虜となるものによって、日に日に蝕まれていくことを知らない。
私の人生は"それ"を中心に形成されていく。それをいかに守るか、いかに得るか。
だから、それを脅かす者には容赦しない。
親友が敵に変わる。
最愛の妻が敵に変わる。
家族が敵に変わる。
世界が皆敵となる。
手放した方がいい。でも、それができないことは分かってる。けど、虜のままでいたらだめになってしまう。人は本当は自由なはずだけど、もはやがんじがらめで、解くことは簡単ではない。人は助けが必要なんだ、と思う。
世は「グルメ時代」......未知なる味を求めて探求する時代。
貴重な食材が国際経済すら揺るがすこの時代に......
未知の食材を探し調達するプロフェッショナルたち「美食屋」たちがいた!
(トリコあらすじ)
「美食屋」のようにチヤホヤされなくていい。
むしろ時代に逆行して、「まずくても食べれれば十分」と言える人の方が本当は必要なんだ。
正社員じゃなくてもいい。人に見下されたっていい。底辺から初めて見える、本当の人生の豊かさがあることを知ってほしい。