灰の中から out of aches
ネパールのバディ族は、カースト制の最下層に位置し、「アンタッチャブル」と言われています。
文字通り、触れてはいけません。学校も病院も彼らを受け入れてはいけません。彼らに触れるならば、家に帰って体を洗い清めなくてはなりません。
ネパールの全国民の25%は、国際的な貧困ラインを下回っています。その要因に、ヒンドゥー教のカースト制が深く関わっています。
ヒンドゥー教には、カルマという考え方があります。人は生まれ変わりながら、永遠に死と生を繰り返す、というものです。もし、高い身分に生まれたならば、前世で善い行いをしたと考えられ、低い身分に生まれたならば(女性も含まれる)、前世で悪いことをしたと考えられる。そのようにして、人は出来るだけ良い来世を送るために、善行を心がけます。しかし、最下層のアンタッチャブルに一度入ってしまえば、もう二度とそこから出て来ることはできません。
バディ族は、生まれながらに定められた貧困の人生を生きのびるために、売春をするしかありません。
けれど、そのような灰の中から、取り出され、尊厳ある人生を取り戻した女性の話を聞いてきました。
その女性は、2009年に助けられた女性でした。当時は、まだ幼い女の子でした。お母さんからは、男性を喜ばせるダンスを教えられていました。年上の姉が親戚に人身売買されたとき、家族で警察に嘆願しに行ったとき、「バディ族はそのために生まれてきているのだから」と言って取り扱ってくれなかったそうです。
また、売春によって妊娠した子が男の子だった場合は中絶をさせられるそうです。女の子だった場合は、「金儲けをする方法」が生まれたとみなされて、お祝いされるそうです。
生まれることすら赦されない男の子たちと、生まれたときから売春婦となる運命にある女の子たち。
2人の男がきたとき、彼女もまた女性を買いに来た男が来たのだと思ってそうです。そして、お金持ちそうだから、行って来いと母親から言われました。けれど、その2人の男は、少女を抱きしめて、「もう踊らなくていい」と言いました。
34人の少女たちが、そのとき、救出されました。村から出て、外の世界を見たとき、魔法のように感じたそうです。トイレも初めて見ました。スリッパの履き方も分かりませんでした。下着の着方さえ分からなかったそうです。
けれど、初めて安全な場所を見つけました。愛されていると感じれるところ。自分は動物ではなく、他の人たちと同じ人間なんだと気付けるところ。
誇りを持って語る彼女の姿は、その部屋で一際輝いていました。自分の価値に確信を持っていました。強くてたくましく、思いやりと情熱に満ちた美しい女性でした。
世は混沌としています。しかし、闇は光に打ち勝てませんでした。灰の中にたたずむ女性を、救い出す御手があります。
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