飯館村 in 福島
福島県飯館村は、美しい村でした。けれども、今は放射能に汚染された村として知られるようになってしまいました。
この映像には、避難5年目の村人たちの声が詰まっています。
かつての飯館村の生活にはもう戻ることができません。汚染がなくなり、住めるようになるには、数百年の月日が必要です。
けれど、仮設や保証が国策によって打ち切られ、人々はまさに見捨てられてしまいました。
一気に、村、家族、伝統、農作物、家畜が奪われてしまいました。
あの日常は二度と帰ることはなく、今までとは全く違った生活を歩み始めることを余儀なくされました。
このように見捨てられ、人々から忘れ去られていく現実に、誰が耐えうることができるでしょうか。幸いな生活のすべてを奪われた怒りを、どこに吐き出せばよいのでしょうか。だれに、この辛さを打ち明けることができるのでしょうか。
原発事故は人災です。人間の高慢と貪欲がもたらした惨事です。
賠償と保証のみでなく、真摯な悔い改めによる赦しと和解が、心の回復に必要とされているように思います。
ちなみに、「福島の復興は終わった」とメディアは伝えるかもしれないが、実際は「福島の復興は終わらない」と思います。村全体が目に見えない放射能に覆われているように、村人たちの心も目に見えない傷や苦しみに覆われていて、それらが消え去ることはありません。